Theater Go Round 2009 舞台芸術部門

札幌劇場祭の全体講評コメント(審査委員長)

こちらの原稿は、去る12月5日(土)、札幌市教育文化会館で行われた札幌舞台芸術賞授賞式の際に、審査委員を代表して審査委員長のマイエル・イングリッドさんが今年の札幌劇場祭の全体講評として発表したものです。

イングリッドさんには、審査員個人としての講評もお願いしています。
後日、このページで紹介いたしますのでお楽しみに。
以下、今年の全体講評です。(当日発表の原文)
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こんにちは。マイエル・イングリッドです。
札幌劇場祭は毎年見てきましたが、
今回は札幌の有名どころといえるyhsやイレブン☆ナイン、AND、新劇場、風蝕異人街などはエントリーされておらず、少し残念な思いをしました。

しかし、始まってみると札幌以外の地方都市からの参加や、海外の劇団との合作上演などもあって、新鮮な感動を味わうことができました。
札幌で演劇活動をされている皆さんも、この機会に大いに刺激を受けてくれていたら、うれしいです。

さて、審査会は昨晩、札幌市教育文化会館の会議室で行いました。
私を含めて審査委員は5人全員が出席。
さらに17作品を見てくださった市民審査委員1人を加えました。
もう一人、10作品以上見たという一般市民の方が、傍聴されました。

エントリー作品は、演劇以外にもステージパフォーマンスから、人形劇、オペラなどもふくむため、難しい審査作業になりました。
そのあたりは次回の課題になると思います。

さて、前置きはこのくらいにして、約2時間の議論の末、全員一致で決まった審査結果を発表します。

まずは特別賞から。
4団体に贈ります。

今回初めての賞である「パフォーマンス賞」から。
仙台から参加してくれた「白A」です。
「テクノデリックコメディーショー」と名付けられた映像と役者の動きを緻密(ちみつ)に組み合わせた表現は、高い評価を得ました。
ぜひ、盗んでくれる劇団が出てきてほしいです。

2つめは「脚本賞」。
北見の劇団動物園の作品「ホテル山もみじ別館」に贈ります。
作は鈴江俊郎(すずえ・としろう)さんです。
きわめてシンプルな作品でありながら、社会風刺と自分愛をからませたコメディーは見る者を引き込みました。

3つめは「美術賞」。
やまびこ座・こぐま座プロデュース人形劇アイヌの神さまのおはなし「金のひしゃく、銀のひしゃく」に贈ります。
美術は矢吹英孝(やぶき・ひでたか)さんが担当しました。
フクロウをはじめとした動物の人形たちと、
舞台装置の豪華な印象は長く記憶に残ると思います。

4つめは「演出賞」。
TPSプラス劇団青羽(チョンウ)提携公演「蟹と無言歌」に贈ります。
演出家キム・ガンポさんは、韓国では知られたプロ演出家ではありますが、
日韓両国の役者たちが織りなす静かなシーンを、味わい深く見せてくれました。

さて、お待たせいたしました。

札幌劇場祭のグランプリにあたる「演劇大賞」を発表します。
他の作品に大きな差をつけた、劇団千年王國「贋作者(がんさくもん)」です。
2002年初演作で、もともとすぐれた作品と思われますが、
今回は役者や舞台セット、演出手法も様変わりさせて、大きな作品になっていました。

それぞれの受賞者の皆さん、おめでとうございます。(了)

2009.12.21