札幌舞台芸術賞 審査委員講評vol.2 土屋孝浩さん(北海道新聞演劇担当記者)
審査委員講評の2回目は、土屋孝浩さん(北海道新聞演劇担当記者)です。
土屋さんは、北海道新聞12月10日(木)付の夕刊にも札幌劇場祭(TGR)の記事を書いています。そちらも合わせてお読みください。
(以下、いただいた原稿です)
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今年で4回目、しかも少ない予算でやりくりしているとはいえ、賞を競い合うコンペ方式の劇場祭(演劇祭)としては道内最大規模ということで、コンペ・ノミネート作品はいずれも真剣に見せてもらいました。
特に今回は、道が各地の劇団の札幌公演をこのイベントにぶつけてくれました。道の「粋な仕事」に感謝したいと思います。しかも深川、北見、大空町女満別、砂川から駆けつけてくれた4劇団の舞台は、とても印象に残りました。
中でも、「ニコニコ笑いながら没落していくのも悪くない」との境地を作品に託した劇団めまんべつの舞台には、たまげました。
主役は小さなまちの建設会社社長。洪水で工事現場が壊滅して資金繰りに行き詰まっていくのですが、人に貸したカネが返ってこようがこまいが動じない。それどころか困った人がいれば、さらに救いの手を差しのべようとさえする。
出演者は役者というより普通の町民色の強い皆さんだったこともあってか、痛いほどリアルな「何か」を放っていました。いまだにこの「何か」の正体をつらつら考えているくらい引きずっています。
さて、グランプリに当たる演劇大賞を受賞した劇団千年王國(札幌)、おめでとうございます。
そして特別賞に輝いた4団体、脚本賞の劇団動物園(北見)、演出賞のTPS(札幌)+劇団青羽(ソウル)、美術賞のやまびこ座・こぐま座プロデュース人形劇(札幌)、パフォーマンス賞の白A(仙台)、おめでとうございます。さらに面白い作品をつくり再びこの劇場祭に現れて、私たちを楽しませてください。
「どうせ札幌で公演するのなら、札幌劇場祭にぶつけたい」。そんな思いを持った劇団が増えてくれるとうれしいです。

